2011年5月31日火曜日

海外70か国以上で標準的な がん治療薬

すい臓がん 新抗がん剤承認へ

海外の70か国以上で承認され、国内のすい臓がんの患者らが承認を求めていた抗がん剤「タルセバ」について厚生労働省の審議会は、30日、承認してもよいという意見をまとめ、来月にも承認される見通しになりました。

すい臓がんの抗がん剤は国内ではこれまでに2種類しか承認されておらず、患者や家族からは海外70か国以上で標準的な治療薬として使われているタルセバの承認を求める声が相次いでいました。これについて30日に開かれた厚生労働省の審議会は、専門の医師の指示の下で使用し、すべてのケースについて経過を調査をすることを条件に承認してもよいという意見をまとめました。このほか、子宮頸がんの新たなワクチン「ガーダシル」や、乳幼児に胃腸炎を引き起こすロタウイルスの感染を予防するワクチン「ロタリックス」についても承認してもよいとされました。ロタウイルスのワクチンが承認されるのは、国内で初めてです。厚生労働省はこれらの薬について、早ければ来月末にも正式に承認する方針で、タルセバについては使用の際に保険が適用されることになりました。

2011年5月31日 NHKニュース

最新の放射線がん治療

がん・感染症センター都立駒込病院が追尾照射機能搭載の放射線治療装置 MHI-TM2000を導入
三菱重工業(東京都港区)が25日発表したところによると、同社の開発した放射線治療装置 MHI-TM2000の、がん・感染症センター都立駒込病院(東京都文京区)への導入が決まった。呼吸などにより揺れ動くがん病巣をリアルタイムに追尾し、狙った病巣のみをピンポイントで連続照射できる追尾照射機能を搭載した最新鋭の装置。同装置の累積受注台数は11台となる。

がん・感染症センター都立駒込病院は、がんと感染症の診療を重点に掲げる代表的な医療機関。現在、老朽化した施設・設備を改修中で、三菱商事などが出資するSPC(特別目的会社)を設立し、病院PFI事業を進めている。今回の装置導入もその一環。この装置による治療開始は2012年を予定しているという。がん放射線治療で、放射線を病巣に正確に照射するためには、位置合わせに多大な時間と労力が必要で、より効率よく照射できる機能の開発が求められていた。MHI-TM2000によれば、世界最高レベルの精度の正確な放射線照射を可能となり、患者の正常組織への副作用を極力回避するだけでなく、医療スタッフの負担も大きく軽減するという。

2011年5月31日 医療人材ニュース

がんと免疫力と笑いの効能

笑いでストレス軽減 医師兼笑い療法士

「笑う門には福来る」を地でいくような資格「笑い療法士」。深刻化するストレス社会で、ぜひとも力を貸していただきたい方だ。鳥取県内でただ一人、この資格を持つ鳥取市の医師森田祐司さん(36)に、笑いを健やかな人生につなげるヒントをうかがった。

 ――笑い療法士になったきっかけは?

 島根県の隠岐の島で勤務医をしていた頃、島根医科大(現島根大医学部)時代の指導教授から勧められた。最初は、眉唾(まゆつば)ものと思ったが、笑うことがなぜ良いのか脳の仕組みを知るため「大脳生理学」を勉強し、笑いの起源や種類に関する講義を受けてみると、なかなかおもしろくて、2007年に取得した。

 ――笑いの効果とは。

 人は笑うことで免疫力が上がることが学術的にも分かっている。がん細胞と戦うナチュラルキラー細胞を活性化させ、免疫機能を正常化させるといわれている。また、ストレスを感じると増加する唾液(だえき)中のホルモン、コルチゾールの分泌が笑うことで減っていくことも分かっている。つまり笑うことで、ストレスを軽減できるというわけだ。

 ――笑いに種類があるそうで。

 人には主に三つの笑いがある。大笑いや愉快なときに出る「快の笑い」、愛想笑いなどの「社交上の笑い」。そして、緊張がゆるんでホッとしたときに出る「緊張緩和の笑い」。たとえ愛想笑いであってもナチュラルキラー細胞が増加したという報告もある。だから心からおもしろくなくても、笑顔を作るだけで体にも良いとされる。

 ――どう診療に生かしているのですか。

 資格を取ったからといって、何か特別なことが出来るわけではない。落語をしたり道化師になってみたりして、積極的に笑いを提供する人もいますが、私は患者の緊張を解きほぐして自然と笑顔がこぼれる環境を心がけている。

 例えば、患者さんの目を見て話すこと。当たり前のことですが、いまはパソコンに向かって仕事する医者も多く、パソコンを見ながら「大丈夫です」と話しても、患者には伝わらないでしょ。あとは相手を否定することをしないこと。どんなに悪い診断結果が出ても「そんな食生活は駄目でしょう」と言われると、患者もかたくなな態度を取ってしまう。医者としては当たり前のことだけど、そうではなく「こんなに結果が悪くても今まで元気にやってこられたのは、何かいいこともあったんじゃないですか」と肯定することで緊張をほぐせれば、患者と医者との信頼関係も出来やすいし、今後の治療もやりやすくなる。

 ――なぜ病院で必要ですか。

 自分も勤務医として体験したが、医者が上から目線で患者に話している。「医者の言うことを聞いていればそれでいい」といった対応が多かった。病院では待たされるのも当たり前で、患者は我慢するのが当たり前になっていた。そんな患者に緊張ばかり強いるのは病気を治す環境ではない。なので、話し方や癒やしの空間を与え、リラックスできる環境で診療していくことが医療として理想ではないかと思う。

 ただ、この資格は医師限定ではなく、看護師も持っておられるし、自分で笑うことで元気になりたいと願う患者さんも取得している。また、会社の中で職場のメンタルヘルスに役立てようと活動されている人もいる。病院を離れて会社や家族でも、笑うことがとっても良いことだと分かってもらうのが笑い療法士の仕事なんです。


2011年5月30日 

子宮頸がん予防に新ワクチン

第二の子宮頸がん予防ワクチンの承認を了承 - 薬食審・医薬品第2部会

国内2製品目の子宮頸がん予防ワクチンとなるMSDのガーダシルが、6月にも正式承認されることが確実になった。5月30日に開かれた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第2部会で承認が了承された。先行するグラクソ・スミスクライン(GSK)のサーバリックスが、子宮頸がんの約70%の原因を占めるとされるヒトパピローマウイルス(HPV)の16、 18型に対して有効なのに対し、ガーダシルは16、18型のほか、尖圭コンジローマの約90%の原因である6、11型にも有効なのが特長だ。サーバリックスと同様、計3回、筋肉内接種する。

GSKはサーバリックスを2007年9月に承認申請、09年12月に発売した。これに対し、 MSD(当時、万有製薬)はガーダシルを07年11月に承認申請したものの、「一度申請が取り下げられ、再申請された」(厚労省審査管理課)経緯があり、サーバリックスに大きく後れを取る結果となった。

サーバリックスは昨年11月に公的助成が始まり、接種者が大幅に増加したことから品薄状況が続いているが、GSKの担当者によると、夏ごろまでには解消されるという。一方、ガーダシルの接種に対する助成について、厚労省結核感染症課は「今後検討する」としている。

海外での状況を見ると、ガーダシルは130か国以上、サーバリックスは110か国以上で承認を取得している。MSDの米国本社(メルク)、GSKの英本社の昨年通期決算によると、ガーダシルの全世界売上高は9億8800万ドルで、サーバリックスの3億7500万ドル(日本での売り上げを含む)を大きく上回っている。

このほか承認を了承されたのは、▽中外製薬の抗がん剤タルセバの膵がんの適応追加▽GSKのロタウイルスによる胃腸炎予防ワクチン・ロタリックス▽協和発酵キリンの抗アレルギー薬アレロックの小児用量の追加▽MSDの皮膚T細胞性リンパ腫治療薬ゾリンザ▽ノバルティスファーマの慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬オンブレス▽アボットジャパンの関節リウマチ治療薬ヒュミラの若年性特発性関節炎の適応追加▽MSDのMRSAに対する抗生物質キュビシン▽ファイザーの抗生物質ジスロマックの新投与経路(注射剤)―。

2011年5月31日 ミクスONLINE

前立腺がん予防飲料

コーヒーで前立腺がん予防

コーヒーを多く飲む男性は前立腺がんになる危険性が低いとの調査結果を、米ハーバード大の研究チームが米国立がん研究所雑誌に発表した。特に悪性度の高いがんの予防効果が顕著だという。
チームによると、登録した男性約4万8千人を20年間追跡すると、約5千人が前立腺がんを発症した。コーヒー摂取量との関係を解析すると、1日に6杯以上飲む人は飲まない人に比べ、前立腺がん発症の危険性が18%低く、中でも進行が早かったり転移したりする悪性度の高い前立腺がんでは60%も低かった。

カフェインの有無で違いはなかったことから、それ以外の成分が発症防止に有効だったとみている。

2011年5月31日 47News

2011年5月27日金曜日

がん、糖尿病や高血圧等にも効果的なお茶

医者いらずのパパイヤ葉茶

今回はタイでオーガニック栽培されているパパイヤの葉から作るパパイヤ葉茶をご紹介致します。 オレンジ色に熟したパパイヤは南国フルーツとして有名ですが、一方で、熟す前の青パパイヤとパパイヤの葉はオーストラリアやアジアの国では昔から民間薬として利用されています。

タイのパパイヤ農園に葉を買いに行った時のこと、農園の方に「薬を作るのですか?」と聞かれました。タイではパパイヤの葉を薬の代用品として使っているご家庭もあるらしいです。

タイには至る所にパパイヤ農園があり年中豊富に収穫できます。その上、当茶工場で簡単にパパイヤ葉茶を作れるという好条件が整っていることから製造決定までに時間はかかりませんでした。2010年3月10日、AFPニュースで「パパイアに著しい抗がん特性、日米共同研究」というニュースが報じられました。調べるにつれ、実際飲むにつれ、驚くことしきりです。抗がん効果に限らず、糖尿病や高血圧等にも効果的、抗炎症効果、免疫力アップ、ダイエット効果、美容効果など書ききれない程の体に良い効果があることがわかってきました。抗酸化作用がプロポリス、ノニジュースと比べ数十倍もあり、ポリフェノールの量も烏龍茶に比べこれまた数十倍多いとのこと、豊富に含まれるビタミンCがコラーゲンの生成を助けたりもするそうです。

パパイヤ葉に含まれる成分は体の悪くなった部分だけを見つけて治そうとするセンサーのようなものがあり、正常細胞には影響を及ぼさない、つまり副作用が無いことが報告されています。またカフェインも含まれていませんので、安心して飲むことが出来ます。バンコク、チェンマイでは老若男女、国籍を問わずじわりじわりとパパイヤ葉茶のファンが増え、リピートされています。

実際に飲んでいる方は揃って「便秘が治った!便がたくさん出る!」と言われます。たんぱく質や脂肪分を分解する強力な消化酵素による働きで、数ヵ月後には体重が減少します。私自身も、便の出方、肌の調子、体調から体の中に溜まっていた老廃物や毒素がどんどん体外へ排出されていることを実感しています。体重はマイナス4kg、体脂肪は26から20になりました(タイ人女性がデトックスしたい時にソムタム(青パパイヤサラダ)を食べる習慣があることも理にかなっています)。

男性からは「二日酔いにならない」「胃酸過多だったのが良くなった」「男性機能がアップした」などの感想が寄せられています。気になるお味の方は、ゴーヤに似たような少し苦味がありますが、香ばしく甘みもあり、飲みやすく、くせになる味です。

青パパイヤの乾燥させた物を混ぜてみると甘みが増しておいしいので、お茶に混ぜることを検討しているところです。パパイヤ葉茶はと闘う人にとって安価で効果の高い民間療法に成り得ること、また健康維持に大変役に立つことから、他の茶の紹介とは一味違った喜びを感じております。もし癌治療の為にパパイヤ葉茶を飲まれる場合はクリニックの先生にご相談されることをお勧めします。

2011年5月27日 International Business Times

新抗がん剤候補の作用を解明

プロファイリングで、抗がん剤候補物質の作用機序を解明
-独自のプロテオームプロファイリングシステムで薬剤標的を迅速同定-

抗がん剤や抗生物質など病気の治療薬には、天然物質やその誘導体から生み出されることがしばしばです。候補となる物質を探査し、その作用や効果が確実になって初めて薬として誕生しますが、どのような標的に作用し、どのような機序で効果を発揮するのか、という仕組みを明らかにするには膨大な時間と労力が欠かせません。

基幹研究所ケミカルバイオロジー研究基盤施設の研究グループは、独自に開発した、薬剤の作用に応じて細胞が固有のタンパク質変動を誘導する性質を利用したプロテオームプロファイリングシステムを駆使し、新規抗がん剤候補の作用を解明することに成功しました。

これはまず、作用既知の多種の薬剤についてタンパク質変動を網羅的に解析したデータを取得し、データベース化します。次に、解析対象である作用未知の候補物質のタンパク質変動データを取得し、それをデータベースと統合しプロファイリング解析し作用標的・作用機序を予測します。

研究グループはこのシステムを用い、ブラジルに自生するオトギリ草の茎から抽出した成分を基にした、強力な抗がん効果が見込める誘導体BNS-22 の作用機序を解明しました。その結果、DNAトポイソメラーゼIIと呼ぶ酵素を標的にするという予測を得るとともに、試験管や細胞レベルで実験的に、この酵素を特異的に阻害していることを明らかにしました。 DNAトポイソメラーゼIIはがん治療の有望な創薬ターゲットの1つで、その阻害剤は作用機序の違いにより、「トポ毒」型と「触媒阻害」型に分類されます。今回のBNS-22は「触媒阻害」型ですが、この型の研究は十分に行われておらず、今後BNS-22が、作用機序の異なる新しい型の抗がん剤候補になると期待されます。また、独自に構築したシステムにより高精度、かつ迅速な新規物質の標的予測ツールとして、創薬研究に広く活用されることが期待されます。

2011年5月27日 プレスリリース

ケイ素で光線力学がん治療

がん治療にケイ素が有効 光線力学療法で群馬大発見

早期がんを治療する光線力学療法で、治療薬にケイ素を組み込むことでがん細胞の殺傷能力が格段に高まることを、群馬大の研究チーム(代表・堀内宏明助教)が突き止めた。マウスを使った実験では、治療から6日間でがん細胞がほぼすべて消えたという。
光線力学療法は、治療薬を患部に入れ、赤色光を当て、活性酸素を発生させる。活性酸素ががん細胞を攻撃するという仕組み。
副作用が少なく、手術や抗がん剤などの化学療法と比べて患者への負担が少ないとされる。国内では治療薬「フォトフリン」や「レザフィリン」が承認されている。
実験では、がん細胞を移植したマウスに、ケイ素を組み込んだ治療薬を注射し、約4時間後に可視光を照射した。がん組織の大きさは2日後に約50%に、3日後に約25%まで減り、6日後にほぼ消えた。がん組織はかさぶたのように黒くなったという。
これに対し、同じ条件で「レザフィリン」を用いた場合、6日後、がん組織の大きさは注射前とほぼ変わらなかった。
治療薬には、光を吸収しやすい性質がある物質が使われている。この物質にケイ素を結合することで、治療薬ががん細胞に集まる効率がレザフィリンに比べ約1.2倍に高まったという。
堀内助教は「この療法がうまくいけば、体への負担が小さい、がんの治療法が完成するかもしれない」と期待する。研究チームは治療薬を改良し、実用化を目指している。
ただ、光線力学療法では、深部に赤色光が届かないため、治療できるのは初期の肺や胃がんなどに限られる。また、治療薬はがん細胞以外の細胞にも入るため、すぐに明るい場所に出ると正常な細胞も傷つける恐れもあるという。
研究成果は3月の日本化学会春期年会で発表されたという。ケイ素や炭素の働きを研究する群馬大の「エレメント・イノベーション」は27日、桐生市織姫町の桐生地域地場産業振興センターでシンポジウムを開き、研究について発表する。

〈  新座志木中央総合病院(埼玉県)
   名誉院長・加藤治文さん (日本光線力学学会会長)  〉 
現在の光線力学療法では表面にできた1センチ大のがんであれば完全に治せる。今回の発見によりさらに大きいがんに効果があると期待できる。

2011年5月26日 朝日新聞

2011年5月26日木曜日

骨髄腫の治療薬で死者

多発性骨髄腫の薬、副作用の可能性 感染症死10人

多発性骨髄腫の治療薬「レナリドミド」(販売名レブラミド)について、厚生労働省は25日、2010年7月の国内発売から約半年間で、使用後に感染症で死亡した人のうち、薬の副作用の可能性が否定できないケースが10例あった、と発表した。

厚労省によると半年間の使用者は約2500人で、薬を使った後に感染症の症状が出た事例は計100例報告された。死亡した患者は高齢者が多いという。

多発性骨髄腫は血液がんの一種で、病気により免疫が低下し、感染症にかかりやすくなるという。しかし同省は薬によってさらに感染しやすくなる可能性も否定できないとして、医師に対し、感染症の管理を再度徹底するよう求めている。

製造販売元のセルジーンは添付文書を改定し、重大な副作用欄に「感染症」を追加している。

2011年5月25日 朝日新聞

肺がんで良好な結果の新薬

アステラス製薬 がん領域で個別化治療薬の開発を推進

アステラスファーマ グローバル ディベロップメントのスティーブン・ライダー社長は、アステラス製薬が5月25日に開いたR&Dミーティングで、バイオマーカーを用いた個別化治療薬の開発を推進し、リーディングポジションを目指すことを強調した。主力の移植、泌尿器領域に次ぎ、第3の重点領域と位置づけるがん領域では、開発中の抗体医薬のほかに、急性骨髄性白血病(AML)や非小細胞肺がんの領域で実現に向けた開発を進める方向であることを明らかにした。

同社ではバイオマーカー等の活用により、特定の患者セグメントに対し、高い効果を示す治療薬を「Precision Medicine」と呼び、特にがん領域(開発品目は15)で積極的に開発が進められている。

そのひとつが「AC220」。同剤は強力かつ選択性の高いFLT3チロシンキナーゼ阻害薬。急性骨髄性白血病(AML)患者では25~30%に FLT遺伝子変異が認められ、これらの患者は予後が悪いとされるが、AC220はこれらの患者に対し、診断法とセットで提供することで個別化治療薬になりえ得ると期待されている。

同剤はAMLの適応取得を目指し、米欧でフェーズ2の段階にあり、今年後半に試験が終了する計画。P2試験の中間解析結果は今年6月の欧州血液学会(EAH)で発表される予定。P1b試験の結果によると、FLT3-ITD(遺伝子内縦列重複変異)陽性患者に対する効果は、完全寛解[血小板の回復不完全、血液の回復不完全を含む]が28%、部分寛解が28%だったのに対し、FLT3-ITD(遺伝子内縦列重複変異)陰性患者ではそれぞれ7%、13%と、FTL-3 ITD陽性患者で高い有効性を示した。

また、タルセバ(一般名:エルロチニブ)もPrecision Medicineの候補と位置づける薬剤。同剤はEGFR変異を伴う進行性非小細胞肺がんのファーストラインでの適応拡大を目指しており、特定の進行性非小細胞肺がんで良好な結果が早期に判明したという。米国で現在申請準備中。薬剤の開発を先行して実施し、診断法の開発は今後実施を検討しているという。

EGFR変異は欧米では肺がん患者の10%、アジアでは30%に認められ、ライダー氏は「Precision Medicineの模範になる」と期待を寄せている。同剤は高いポテンシャルを有し、非小細胞肺がんのみならず、卵巣がん(維持療法のファーストライン)、肝細胞がん(ファーストライン)など14年までに多くの疾患での試験結果が判明する予定。

2011年5月26日 ミクスONLINE

前立腺がん予防に有効な飲み物

コーヒーで前立腺がん予防 米大研究チーム

コーヒーを多く飲む男性は前立腺がんになる危険性が低いとの調査結果を、米ハーバード大の研究チームが米国立がん研究所雑誌に発表した。特に悪性度の高いがんの予防効果が顕著だという。チームによると、登録した男性約4万8千人を20年間追跡したところ、約5千人が前立腺がんを発症。コーヒー摂取量との関係をみると、1日に6杯以上飲む人は飲まない人に比べ、前立腺がん発症の危険性が18%低く、中でも進行が早かったり転移したりする悪性度の高い前立腺がんは60%も低かった。

2011年5月26日 産経新聞

2011年5月25日水曜日

すい臓がん大手術から半年で復帰

すい臓ガンの大手術から半年。女性ソウル歌手アレサ・フランクリンがステージに戻る!


“クイーン・オブ・ソウル” の名で親しまれて来た、ゴスペル系ソウル歌手アレサ・フランクリン(69)。「すい臓ガン」と闘っている彼女が、やっと元気な姿になりファンの前に帰って来た。

19日、イリノイ州シカゴの「The Chicago Theatre」のステージに立ち、マイクを握りしめたフランクリン。一昨年のオバマ大統領就任式典にて愛国歌『My Country, ‘Tis of Thee』を熱唱したことでも分かる通り、ゴスペル界の多くのミュージシャンが尊敬する女性ソウル・シンガーである。

昨年10月までは音楽活動を続けていたフランクリンだが、「すい臓ガン」であることを11月に発表、2011年5月までは活動を休止すると決めた。12月になると、親戚がデトロイトのラジオ局WJBK Fox 2に、「医師からは余命1年も難しいと告げられましたが、アレサは辛い抗がん治療、そして大手術に耐えました」と話していた。

さらにその後、病院に幾度も彼女を見舞った黒人指導者ジェシー・ジャクソン師は、「会話も精神力もしっかりしている。ホールの階段の昇り降りをして体力作りに励んでいる」などと米AP通信に話しており、明るい光が見えて来た。

チケット完売、超満員の19日のステージでフランクリンはファンの温かい拍手と喝采を浴びた。感無量であったに違いない。しゃがれた歌声で、神への忠誠心をソウルフルに歌い続けてきたフランクリン。まだまだ活躍していて頂きたい1人である。

2011年5月24日 Techinsight

乳がん骨転移の治療薬

骨関連疾患治療薬デノスマブで共同販促- 第一三共とアストラゼネカ

第一三共とアストラゼネカは5月24日、第一三共が国内で承認申請中のがん骨転移による骨病変の治療に用いる抗体医薬デノスマブの共同販売促進に関する契約を締結したと発表した。

同薬は、骨を破壊する破骨細胞の形成や活性化に必須のタンパク質であるRANKリガンドを標的とした完全ヒト型モノクローナル抗体で、2007年に第一三共が米アムジェン社から導入した。

今回の契約は、がん骨転移による骨病変の適応に限られている。第一三共の広報担当者は、「アストラゼネカは、乳がん前立腺がん肺がんといったがん骨転移の多いがん腫の領域で評価が高く、共同販促によってマーケティング力をアップしたい」と話している。

第一三共によると、同社は現在、骨粗鬆症と乳がん補助療法の適応でフェーズ3試験、関節リウマチの適応でフェーズ2試験を国内で実施している。

2011年5月24日 キャリアブレイン

抗がん剤などの薬剤が効くのか

3次元がん細胞培養に成功  福井大高エネ研など

福井大高エネルギー医学研究センターなどは24日、ナノ(ナノは10億分の1)単位で加工されたプレートを用いて3次元(立体)がん細胞の培養に成功したと発表した。簡単、均一に高い再現性でがん細胞を培養できる世界初の手法で、がん治療法の開発、向上が期待される。

同センターや放射線医学総合研究所(千葉県)、バイオテクノロジー事業などを手掛ける会社「SCIVAX」(サイヴァクス)などの共同事業。昨年度まで同センター助教だった吉井幸恵・同研究所研究員が中心となり研究してきた。

従来のがん研究は、一般的に培養器底面の平面上で培養した2次元がん細胞を使っていたが、実際は立体構造である体内のがん細胞と多くの点で違いがあり、研究上の問題になっていた。3次元がん細胞も培養はされていたが、細胞の生存率や再現性が低いなど、抗がん剤開発には欠点が多かったという。

今回の研究では、ナノサイズの網目状のプレート上に、がん細胞をまき培養。がん細胞が自発的に移動、接着を繰り返し1週間ほどでがん細胞の塊が形成できた。増殖は2次元がん細胞とほぼ同じ速度で、高い生存率を維持。均一性や再現性も確認された。

この3次元がん細胞により、実際に体内でできる腫瘍のような立体的ながんが再現できた。塊の内部まで抗がん剤などの薬剤が効くのかなどの実験ができるようになる。

また、体内ではがん細胞が増殖し低酸素領域ができ、この領域では抗がん剤やエックス線治療の効果が少なくなるとされる。3次元がん細胞の塊の内部は、低酸素領域のがん細胞と似た性質を持つことも確認され、治療法の開発に有効としている。

吉井研究員は「人のがんの種類はさまざま。その人に最適な抗がん剤が提供できるようになれば」とさらに研究を進めている。岡沢秀彦同センター長は「新しく開発した薬剤の実験が簡単にできるようになる。がん治療が飛躍的に進歩する可能性がある」と話している。

2011年5月25日 福井新聞

2011年5月24日火曜日

骨肉腫の転移抑制物質を新発見

骨肉腫の転移、抑える物質を発見 鳥取大

細胞の機能を抑える性質を持つ物質が、骨のがんの骨肉腫が肺へ転移するのを抑える作用を持つことを、鳥取大学大学院医学系研究科の尾崎充彦助教(腫瘍〈しゅよう〉生物学)が発見した。国立がん研究センター(東京都中央区)の落谷孝広博士との共同研究で突き止め、アメリカの科学誌で発表した。骨肉腫は10代に多い病気で、新たな治療法の開発につながることが期待されている。

この物質は、遺伝子の働きにかかわるリボ核酸(RNA)の断片の一つとされる「マイクロRNA143」。細胞増殖や生理活性物質の分泌など、細胞の機能を制御する作用を持つという。

尾崎助教らの研究グループは、約1千あるといわれるヒトのマイクロRNAのうち、肺に転移した骨肉腫細胞の中で少なかったマイクロRNA143に着目。ヒトの骨肉腫の細胞を投与したマウスを10匹ずつ二つのグループに分け、その一つのグループに3日おきにマイクロRNA143を50マイクログラム投与した。

20匹全部のひざ部分に骨肉腫が確認されたが、4週間後には、この物質を投与されなかったグループは10匹すべての肺にがんが転移していたのに対し、投与したグループで転移が確認されたのは4匹だけだった。

この実験結果などから、マイクロRNA143には、骨肉腫のがん細胞が周囲の細胞組織を壊して広がるのを抑える働きがあると結論づけた。

骨肉腫は発症患者の約6割を10代の若者が占める病気。手術や抗がん剤の投与で治療することができるが、術後5年以内に3~4割の確率で肺に転移する。転移したがんは、病状が進行しているので治療が困難なことが多く、転移をどう抑えるかが大きな課題になっている。

尾崎助教は研究の成果について「骨肉腫の転移を予防する新しい治療法や薬の開発につながり、十分に解明されていない転移のメカニズムも明らかになる可能性もある」としている。

2011年5月23日 朝日新聞

胃がん撲滅計画

胃がんはなくせる
ピロリ菌除菌が効果
北大教授、撲滅計画提唱

かつて日本人の国民病とも称された胃がん。がんの死亡者数では肺がんの増加で1990年代に2位になったが、発症者数では依然として最も多い。近年、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染が主な原因と分かり、制圧も夢ではなくなってきた。北海道大の浅香正博特任教授(がん予防内科学)はピロリ菌の検査と除菌を中心とした「胃がん撲滅計画」を提唱している。

▽感染で萎縮
胃がんの大半はピロリ菌感染症だ」と浅香教授は言う。胃がんは過去、塩分やストレスなどが原因とされてきた。しかし、1982年に胃粘膜からピロリ菌が発見されて以降、研究成果が積み重なり、ピロリ菌の長年の感染で胃の粘膜が萎縮して、胃がんが発生することが明らかになってきた。ただし、数%はピロリ菌と関係のない胃がんもあるとされる。
ピロリ菌に感染したことがない人は胃がんを発症することはほとんどないが、問題は、既にピロリ菌に感染している人。除菌したら胃がんを予防できるのだろうか。
浅香教授らは、早期胃がんで内視鏡治療をした患者505人について、治療後に除菌した集団としなかった集団とに分けて3年間追跡した。いずれも切除した場所とは異なる場所に胃がんが再発した人が出たが、除菌した集団はしなかった集団に比べて発症率が3分の1になった。

つまり、感染者は胃が萎縮するなど症状が進んでいるため、除菌しても発症を完全に予防することはできない。しかし、胃がんになるほど症状が進んだ人でも除菌をすれば発症が3分の1に抑えられることから、胃がんにまで至っていない人なら、除菌で発症は3分の1以下に抑えられることを示しているという。

▽50歳以上対象
除菌の効果は胃の萎縮が進んでいない若いうちほど大きく、推計では男女とも30代までに除菌をすると、ほぼ100%胃がんにならない。40代で除菌すると男性は93%、女性98%、50代では男性76%、女性92%、60代では男性50%、女性84%で予防できるという。
ピロリ菌は胃酸の分泌が未成熟の幼児期に感染し、成人では感染しないため、除菌後に再び感染することはまずない。
浅香教授が提唱する胃がん撲滅計画は、胃がんの死亡率が低い年代を除いた50歳以上が対象。ピロリ菌検査に加え、胃の萎縮を調べるペプシノゲン検査を義務付ける。いずれも血液検査で、二つ合わせて「ABC検診」と呼ばれる。両検査で問題ない人は、ほぼ胃がんにならないため以後の検診は不要。ピロリ菌に感染しているが、胃の萎縮が進んでいない人は、除菌すれば胃がんになる可能性は極めて低い。胃の萎縮が判明すれば、除菌をした上で定期的な内視鏡検査を実施する。
萎縮が進みすぎるとピロリ菌の数が減り、検査では見掛け上「なし」と判定されるが、これはがんになる可能性が最も高い状態だ。

▽死者3万人に
現在、毎年約11万人が胃がんにかかり、年間の治療費は3千億円と推定される。団塊の世代が胃がん年齢を迎えたほか、高額な分子標的薬の導入などで年々の治療費は上がっており、2020年には5千億円を超える可能性がある。
浅香教授の推計では、撲滅計画を実施すると、受診率50%と仮定した場合で除菌費用などに毎年約270億円かかるが、20年を迎えても治療費は現行水準にとどまり、死亡者数は現在の年間約5万人から約3万人に減少する。その後はピロリ菌感染者数の減少とともに、胃がん発症者数もゼロに近づくとの見立てだ。
浅香教授は「肝炎ウイルス対策を基本とする肝臓がんでは死亡者数が急速に減っている。なぜ、胃がんはピロリ菌対策を行わないのか」と話している。

2011年5月24日 共同通信

肝がんリスクの低減方法

「肝がん」原因90%のウイルス性肝炎 40人に1人が感染



現在、日本人のがん死のうち、第3位の「肝がん」。男性では40歳代後半から、女性では50歳代後半から増加し始め、罹患者の生存率は20%前後と、ほかのがんに比べて著しく低い(国立がん研究センターがん対策情報センター調べ)。

肝がんの主な原因は「ウイルス性肝炎
がんの原因の約90%は「B型・C型ウイルス性肝炎」。つまり、肝炎への感染を防ぐことができれば、肝がんの罹患リスクをかなり低減できるということだ。

厚生労働省は、毎年5月第4週(2011年は5月23~29日)を「肝臓週間」と定め、肝炎への感染予防の重要性を訴えている。

■“沈黙の臓器”を目覚めさせよ
ウイルス性肝炎は国内最大級の感染症で、B型・C型を合わせると、300万人以上――日本人の約40人に1人が感染していると予想される。

肝臓は、病気にかかっていても、なかなか症状が出ないため、気づいた時には重症化しているケースも多い。しかし、肝炎ウイルスへの感染を早期に発見・治療さえしておけば、将来のウイルス性肝炎、ひいては肝がんさえ、予防できる確率が非常に高いということなのだ。

■26歳以上の人は感染の可能性あり
肝炎ウイルスは、「血液」を通して感染する。とくに、感染力の強いB型肝炎のほとんどは、出生時に母親から「母子感染」するといわれている。

1985年以前に生まれた人、つまり今年26歳となる人以上は、母子感染予防策が実施されていなかったため、感染リスクを考え、早期に検査を受けておいた方がよい。

■まずはインターネットで手軽に「肝臓チェック」を
肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、全国の保健所や指定医療機関で行なわれている無料(一部負担が必要なケースもある)の「血液検査」で、簡単に調べることができる。この検査は短時間で済み、数週間後には検査結果がわかる。

「保健所に行く時間がない」という人には、B型肝炎の情報サイト『肝炎.net』で事前にチェックしてみるのもオススメだ。

同サイト内の「Kanzo診断」では、6つの簡単な質問に答えるだけで、B型肝炎ウイルスに感染している可能性を診断できる。また、B型肝炎に関する最新情報や、無料の検査施設についての情報も掲載されているため、早期発見や感染対策の一助にもなる。

肝炎ウイルスに感染している場合は、少量の飲酒でも肝機能の悪化を招く。「今はまだ大丈夫」と油断せず、原因となる肝炎を手軽なインターネット診断や無料健診でチェックし、「肝がん」のリスク回避を。

2011年5月23日 

2011年5月23日月曜日

みかんと緑茶でがん予防

日本人にはおなじみの「ミカン」。糖尿病、高血圧、心臓病、痛風、肝機能障害などの生活習慣病の予防や骨密度の低下リスクを下げる効果が疫学調査から明らかになっているほか、細胞レベルではコラーゲンの産生を促進するといった美肌作用も確認されています。また、ミカンの皮を乾燥させた「陳皮(ちんぴ)」は生薬として漢方薬などに配合され、胃もたれ、消化促進、食欲増進、かぜによるのどの痛みやせきの緩和などに用いられており、その健康効果は古くから知られています。

こうしたミカンパワーを支えている中心的な健康成分が、オレンジ色の色素成分であるβクリプトキサンチン。ほかに苦み成分であるリモノイドやフラボノイドの一種、ヘスペリジンもミカンパワーの元になっています。

一方、緑茶にも、苦み成分のカテキン、うまみ成分のテアニンをはじめ、様々な機能性成分が含まれています。これらの成分は緑茶独特の味わいをつくり出すだけでなく、抗酸化作用や緊張緩和作用などにより、抗ウイルス、ダイエット、ストレス低減など多様な健康効果をもたらしてくれます。

どちらにも、私たちの健康と美容に欠かせない大切な成分がたっぷり詰まっていますが、この二つを一緒にとることでがんの発症リスクがより低下することを明らかにしたのが、東北大学大学院公衆衛生学分野の辻一郎教授らの研究グループが中心になって宮城県で行った疫学調査「大崎国保コホート」(*下記参照)です。

日本の食卓の原風景ともいえるミカンと緑茶。両者は、相性もいいようです。現在では通年で見かけることも多くなったミカン(温州ミカン)。もちろん夏は夏ミカン、オレンジなどでもOK。また柿にもβクリプトキサンチンが含まれます。緑茶とともにこれらの果物を毎日とり続けましょう。

2011年5月23日 日経ヘルス

がんを防ぐ食材はヨーグルト

乳酸菌がNK細胞を活性化…がんを防ぐ食材研究「ヨーグルト」

がんの食事療法の名医、済陽(わたよう)高穂医師(西台クリニック院長/三愛病院医学研究所所長)があげる手っ取り早い“がんを防ぐ食材”として以前、「レモンの搾り汁」を紹介した。今回は続いて「ヨーグルト」の効用を考える。1日最低300グラムを摂取するのがポイントだ。

【抗体の60%が腸管で】

済陽医師自身、毎日リンゴ1個と「飲むヨーグルト」500ミリリットルを昼食にしているという。

ヨーグルトは牛乳に乳酸菌を混ぜて発酵させたもの。健康維持やがん予防に役立つ要となるのは“乳酸菌”だ。

よく「乳酸菌は腸を元気にさせる」といわれるが、腸の働きが健康にどれほど重要なのか。済陽医師は「腸管の役割は消化・吸収だけでなく、1億個もの神経細胞があり、全身の免疫を司るリンパ球の60~70%が存在する。抗体全体の60%は腸管で作られているのです」と説明する。

その腸管免疫を正常に保つには、300種類、1兆個以上という腸内細菌の善玉菌と悪玉菌のバランスが重要になる。

【乳酸菌がNK細胞を活性化】

年をとると善玉菌が優勢だった正常な腸内は、次第に善玉菌が減り、悪玉菌が多く繁殖してくる。

すると悪玉菌が作り出す毒素物質の影響によってがんなどさまざまな病気の要因になるのだ。

善玉菌を増やし、悪玉菌を抑え込むには、善玉菌の代表格である乳酸菌をヨーグルトという食品で直接補充するのが最も手っ取り早い。

さらに済陽医師は乳酸菌のがん予防の効能について、「近年の研究で乳酸菌の腸内繁殖と菌体成分の刺激によって免疫の作用物質である『インターフェロン』の生産能力が向上し、がん細胞を攻撃するNK細胞を活性化させることが確認されている」と強調する。

【球菌主体がおススメ】

ちなみに乳酸菌とは単一の菌ではなく、糖質を“エサ”にして、多量の乳酸を作りだす菌の総称。

ひと言でヨーグルトといっても種菌の種類(乳酸菌の構成が違う)によって味や発酵温度で硬さなどが微妙に違う。

済陽医師は「乳酸菌でも細長い形の桿(かん)菌と丸い球菌がある」と、おススメの種菌のヨーグルトをこう話す。

「含まれる体面積当たりの菌数が多くなるので球菌主体の種菌のヨーグルトの方がいい。たとえば、カピス海・ヨーグルト、ブルガリア・ヨーグルト、ケフィア・ヨーグルトなどです」

いまはヨーグルトメーカー(発酵器)も手頃な値段であるので、気にいったヨーグルトがあったら、それを種菌にして自家製で作れば費用も安上がりで食べられる。

また、「牛乳が苦手の人は豆乳ヨーグルトで摂取しても効果は同じ」と済陽医師はアドバイスする。

できることからコツコツと、がんを防ぐ食習慣を身に付けていこう。


2011年5月19日 ZAKZAK

2011年5月20日金曜日

iPhoneの皮膚がん検査

iPhone対応の携帯型皮膚がん検査機器=独社〔BW〕

皮膚がん診断用イメージング機器大手の独フォトファインダー・システムズは、携帯型皮膚がん検 査機器「ハンディースコープ」を発表した。iPhone(アイフォーン)や対応アプリを組み合わせることで、皮膚がんの疑いのあるほくろの顕微鏡写真を撮 影・保存し、医師に伝送できる。撮影写真の倍率は最大20倍。今月24~29日にソウルで開催される国際皮膚科学会で展示される。

2011年5月20日 ビジネスワイヤ

2011年5月19日木曜日

白血病の治療薬の効能追加

ノバルティス、抗悪性腫瘍剤「グリベック」の効能追加を申請

抗悪性腫瘍剤「グリベック(R)」

好酸球増多症候群/慢性好酸球性白血病の治療薬として効能追加を公知申請

ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:三谷宏幸)は、本日、抗悪性腫瘍剤「グリベック(R)錠100mg」(一般名:イマチニブメシル酸塩) について、FIP1L1-PDGFRα 陽性の好酸球増多症候群(HES)/慢性好酸球性白血病(CEL)の治療薬として、効能追加の公知申請を行いまし た。

血液がんの一種である好酸球増多症候群(Hypereosinophilic syndrome; HES)/ 慢性好酸球性白血 病(Chronic eosinophilic leukemia; CEL)は、好酸球が過剰に増殖して正常な造血が阻害されたり、増殖した好酸球が心 臓、肺、脾臓、皮膚および神経系などに浸潤することで、様々な臓器障害を引き起こす疾患です。中でも心筋への好酸球浸潤は約58%の患者さんに認められ、 こうした患者さんは心不全を起こすことがあり、予後は不良です。

早期診断や心合併症などに対する補助療法の進歩により、生存率に改善はみられるものの、依然として難治性の疾患であり、これまで国内では有効な治療法がありませんでした。

「グリベック」は、特定のがん細胞で重要な役割を果たすと考えられる異常なチロシンキナーゼを標的としており、HES/CELにおいては、発症の原因となる腫瘍タンパクであるFIP1L1-PDGFRαの活性を阻害することで治療効果を示します。

海外では、HES/CELの効能を米国、EUをはじめとする各国で取得しており、すでに欧米ではHES/CELの標準療法の一つとなっています。

「グリベック」は、日本では、慢性骨髄性白血病治療薬として2001年に発売され、その後2003年にKIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍、2007年にフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の効能追加を取得しています。

前立腺がん予防にコーヒーが効果

前立腺がんリスク減少にコーヒーが効果、米研究

前立腺がんの予防については、コーヒーはたくさん飲むほど良いとする研究結果を17日、ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)が発表した。

コーヒーをまったく飲まない男性に比べて、1日6杯以上のコーヒーを飲む男性のほうが、死に至る前立腺がんにかかるリスクは60%、前立腺がん自体が発現するリスクも20%低いことが、この研究で明らかになった。1日1~3杯のコーヒーでも、死に至る前立腺がんにかかるリスクは30%低かった。カフェイン含有の有無による効果の差はなかった。研究者たちは、コーヒーの成分が持つ抗酸化作用や抗炎症作用と、前立腺がんリスクの低下に関係があるのではないかと考えている。

前立腺がんは米国の男性に最も多く診断されるがんだが、すべてが致死性というわけではなく、早期に血液検査で発見できる

今回の研究では4万7911人の米国人男性を対象に、1986年から2008年までの間の4年ごとに飲んでいるコーヒーの量を調査した。この研究期間中に計5035件の前立腺がん診断が報告され、そのうち642件については転移や死亡が報告された。

コーヒー常用者における前立腺がんリスクの低下は、喫煙や運動不足など、がんリスクが増大するとされる他の要因を加えても認められた。

2011年05月18日 AFP

がん細胞の新遺伝子解析

遺伝子発現量の測定で、がん細胞がピタリと分かる ―1分子シーケンサーの遺伝子発現解析法「HeliScopeCAGE法」を開発―

がんなどの疾患の様子や、生命そのものの現象の解明には、生体を構成する多種多様な細胞1つ1つに着目し、それらのDNA発現量を分子レベルで調べることが欠かせません。例えば、がん細胞とその隣の正常細胞の遺伝子発現を区別することができると、がん細 胞を明確に定義でき、確かな医療が可能になります。そのため、少数の細胞から微量サンプルを抽出して解析する技術開発が進んでおり、すでにDNAシーケン サーでは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を活用した手法が確立しています。しかし、このPCRによる増幅過程では、発現解析データの偏りや再現性の低下 を引き起こすため、微量サンプルの高精度な解析は不可能でした。

オミックス基盤研究領域と米国ヘリコスバイオサイエンス社は、わずか100ナノグラムのRNAサンプルから、定量的で高精度に遺伝子の発現量を測定するこ とができる「HeliScopeCAGE法」の開発に成功しました。新手法は、理研独自の遺伝子解析技術である「CAGE法(Cap Analysis of Gene Expression)」を、DNA増幅なしに1分子レベルで核酸の塩基配列を解読(シーケンシング)することができる1分子シーケンサー 「Helicos® Genetic Analysis System」に最適化し、微量サンプルの直接シーケンシングを可能にしました。その性能は、ヒト急性単球白血病由来のTHP-1細胞株とヒト子宮頸がん由来のHeLa細胞株を用いて、遺伝子発現解析に広く使われているマイクロアレイ法と比べると、高い相関に加えてより高い精度も確認することができました。

この技術により、細胞特異的な微量の遺伝子発現検出を可能にすると注目されます。

2011年5月19日 プレスリリース

2011年5月18日水曜日

がんペプチドワクチンの特許

メディネット、欧州特許庁よりHSP105由来がん抗原ペプチドの特許査定を受領

株式会社メディネットは、くまもとテクノ産業財団より譲渡を受けたHSP105由来がん抗原ペプチドに関する欧州特許出願について、欧州特許庁より特許査定を受けたことに伴い、欧州11カ国に移行手続を行なうことといたしましたのでお知らせします。

HSP105は、大腸がん膵がん乳がん食道がん等の多くの症例において過剰発現が確認されているタンパク質です。メディネットは、国立がん研究センターと共同で、HSP105 由来抗原ペプチドの有用性の検証及びがん抗原特異的CTL 療法に係る新規技術の開発を行なっており、欧州において本特許を取得することで、本特許発明を用いたペプチドワクチン、DCワクチン等の製造、および使用のライセンスアウト等が可能となります。

メディネットは、欧州11カ国において移行手続きを行ない、特許取得が完了することで、今後、ランセンス活動の推進が期待されるとともに、より個別化されたがん治療の実現に寄与できるものと考えています。

2011年5月17日 プレスリリース

転移乳がんへ新薬が承認

「HALAVEN」後期転移性乳がんの適応でスイス連邦医薬品庁から承認取得

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、このたび、当社が創製・開発した新規抗がん剤「HALAVEN(R)」(エリブリンメシル酸塩) が、「アントラサイクリン系、タキサン系およびカペシタビンなどの抗がん剤を含むがん化学療法による前治療歴のある局所進行性・転移性乳がん」患者様に対する単剤療法として、スイス連邦医薬品庁(Swissmedic)より承認を取得した、と発表しました。

当社は、アンメット・メディカル・ニーズの高い後期転移性乳がんに対して「HALAVEN(R)」を少しでも早く患者様にお届けすべく、スイス、シンガポール審査当局に対して211試験(第II相臨床試験)等をもっていち早く申請しました。

今回のSwissmedicによる「HALAVEN(R)」の承認によってスイスの後期転移性乳がんの患者様がこの革新的な治療薬にアクセスすることが可能となります。乳がんは、世界中で2番目に多く診断されるがんであり、毎年約130万人が罹患しています。スイスでは、乳がん患者様数が5,000人を越え、毎年、約1,400人が乳がんで亡くなられています。 

Choice vs Eribulin E7389)とともに審査中でした。なお、シンガポールでは2011年2月に承認を取得しています。

本剤は、米国(2010年11月)、シンガポール(2011年2月)、欧州(2011年3月)で承認を取得しており、2011年4月には日本でも承認されました。今回の承認は世界で5番目となるほか、本剤は現在、カナダで承認審査中です。

2011年5月17日 プレスリリース

2011年5月17日火曜日

正常細胞ががんを丸のみ破壊

正常細胞が丸のみ破壊…がん治療に期待 神戸大解明

 がんのもとになる異常な細胞を、周囲の正常な細胞が食べて破壊するメカニズムを神戸大大学院医学研究科の井垣達吏特命准教授(遺伝学)らのチームが解明した。がんの新たな治療法開発につながる可能性がある。

 がんのほとんどは臓器の内部を覆う「上皮組織」の細胞で発生する。

 チームがショウジョウバエの幼虫を使って実験した結果、上皮組織で一部の細胞ががんになりかけると、隣の正常な細胞で特定のタンパク質の働きが活発になり、ほかの細胞を食べやすいように形状を変化させていた。その後、異常細胞を生きたまま丸のみして破壊した。

 チームはヒトやイヌなどの培養細胞を使った研究も進めている。井垣特命准教授は「これまではがん細胞を殺す努力をしてきたが、正常な細胞を元気づけ、食べさせる治療法も考えられる」と話している。

 成果は米科学誌デベロップメンタルセルに掲載された。

2011年5月16日 産経新聞

2011年5月16日月曜日

がん細胞分裂のしくみを解明

東北大学、細胞分裂装置が形成される新たなしくみを解明

細胞分裂装置が形成される新たなしくみを解明

線虫胚の分子イメージング解析から発見

   細胞が分裂する際には「紡錘体」とよばれる細胞内装置のはたらきによって遺伝情報の担い手である染色体が娘細胞に均等に分配されます。今回、東北大学大学 院生命科学研究科 杉本亜砂子教授と理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 戸谷美夏研究員らは線虫胚をモデル系とした分子イメージング解析か ら、オーロラA (Aurora A)というタンパク質が紡錘体の主要な構成成分である微小管を安定化することが紡錘体形成に重要であることを見いだしま した。この発見は癌治療法の開発にもつながると期待されます。本研究成果は、2011年5月15日付けで英科学専門誌「ネイチャー・セル・バイオロジー  (Nature Cell Biology)」誌の電子版に掲載されます。

これまでタンパク質リン酸化酵素は酵素活性を持つ時にのみ働いていると考えられてきましたが、今回の研究から酵素が不活化されている場合でも別の役割を 果たし得ることが示されました。このような例はこれまでほとんど知られていませんでしたが、今回の研究をきっかけとして酵素タンパク質の多面的な機能とい う新たな観点からの研究が進展すると考えられます。
また、オーロラAは多くの癌細胞で過剰に発現されていることが知られており、本研究の成果は癌治療薬の開発にも貢献することが期待されます。

2011年5月16日 プレスリリース抜粋

がんを食べる細胞

がんのもとを食べて破壊 神戸大解明、治療法開発に

がんのもとになる異常な細胞を、周囲の正常な細胞が食べて破壊するメカニズムを神戸大大学院医学研究科の井垣達吏特命准教授(遺伝学)らのチームが解明した。がんの新たな治療法開発につながる可能性がある。

がんのほとんどは臓器の内部を覆う「上皮組織」の細胞で発生する。

チームがショウジョウバエの幼虫を使って実験した結果、上皮組織で一部の細胞ががんになりかけると、隣の正常な細胞で特定のタンパク質の働きが活発になり、ほかの細胞を食べやすいように形状を変化させていた。その後、異常細胞を生きたまま丸のみして破壊した。

2011年5月15日 共同通信

最先端がん治療設備

最先端がん治療を導入 南和歌山医療センター

和歌山県田辺市たきない町の南和歌山医療センターは、県内で初めて最先端のがんの外部放射線治療を導入した。効果が高く、副作用の危険性が少ないという。辻孝外来診療部長(放射線科)は「がん治療の強力な武器になる。地元の人の利便性も高まると思う」と話している。

放射線治療は、体にメスを入れず、腫瘍部分に放射線を当てることで治療する方法。これまでの技術では、腫瘍だけでなく、その近くにある正常な臓器にも同じ強さの放射線が当たり、副作用の心配が大きかった。そのため、腫瘍への放射線量も抑えられ、十分な治療が難しいという面があった。今回導入した「強度変調放射線治療(IMRT)」では、コンピューター計算し、例え複雑な形の腫瘍であっても、多方向からの放射線量に細かい強弱をつけることで、正常な臓器に当たる放射線量を減らし、高い精度で腫瘍に集中して当てることができる。それにより、副作用の危険性も低下するという。

ただ、IMRTは煩雑な作業が必要になる。患者1人ずつ計算し、実際その通りに、放射線が当たるかを検証するため、患者1人受け入れるためには準備に1週間程度かかるという。装置や周辺機器が高価なことや、高度な技術が必要なことから県内での導入はなかった。IMRTを受けるには、大阪の病院まで行くしかなかったという。

南和歌山医療センターは2009年3月に、IMRTが可能な新装置を導入。放射線治療を進めながら技術を習得、今年2月からIMRTでの患者治療を開始した。中でも直腸やぼうこうなどの臓器が接している前立腺がんなどに多く使われており、同センターでもこれまで前立腺がん患者ばかり10人以上を受け入れた。辻部長は「がんは10年以上経過を見ないと分からないが、高い確率で完治するはず」と話している。

同センターは厚生労働省に「がん診療連携拠点病院」に指定されている。

2011年05月14日 紀伊民報

2011年5月12日木曜日

転移胃がんに新薬候補

バイエル薬品、「Regorafenib」の消化管間質腫瘍治療でFDAからファストトラック指定を取得

米国食品医薬品庁(FDA)、Regorafenib(レゴラフェニブ)を消化管間質腫瘍に対する治療で、ファストトラック品目に指定。

独バイエル ヘルスケア社は、12日に治験中の新規化合物regorafenib(レゴラフェニブ、BAY73-4506)が、imatinib およびsunitinib による治療にて病勢進行が認められた転移性または根治切除不能な消化管間質腫瘍(GIST:Gastrointestinal Stromal Tumors)、の患者さんの治療に対して、米国食品医薬品庁(FDA)からファストトラック指定を受けたと発表しました。

米国におけるファストトラック指定とは、深刻な疾患に対する治療薬の開発を促進し、承認審査を早め、アンメットメディカルニーズ(満たされない医療ニー ズ)を満たすための制度です。ファストトラック指定を受けた新薬候補は、開発及び承認審査の全期間において、FDAと製薬企業の早期からの頻繁な協議が推 進されることで早期承認が期待されます。結果としてがん治療新薬がより早く患者の手元に届くことが可能になるのです。

regorafenibは、血管新生阻害作用および腫瘍増殖阻害作用によって腫瘍の成長を阻害し、優れた抗腫瘍効果を持つことが示されています。胃がん小腸がん新薬として、近い将来の承認と販売開始が大いに期待されるのです。

がん治療に備えて必要なモノ

アメリカンファミリー生命保険は昨年に全国各都市で行われたがんに関するセミナーなどの来場者へのアンケート調査の結果を発表。

がん未経験者が想定する、がん治療全般に関わる費用は、
「300万円より多い」が最も多く32.1%
「300万円程度」21.1%
「200万円程度」21%
「100万円程度」18.9%
「50万円程度」3.7%
「その他」3.3%

がん経験者が負担した、がん治療全般に関わる費用は
「50万円程度」が最も多く36.3%
「100万円程度」29.5%
「200万円程度」20.2%
「300万円程度」6.9%
「300万円より多い」5.2%
「その他」1.9%

がん治療の費用は、実際には未経験者が想定するような高額な治療費が生じるケースが少ないことが判明した。

未経験者の中でがん治療全般に関わる費用が「300万円より多い」という想定が多い理由は、 下記が原因とみられる。

(1)毎日大量に流される生命保険会社のCMによるスリコミ
(2)「がん=高額な治療費がかかる」という固定観念
(3)がん経験者の実際の治療費の情報開示不足


注目すべきは、治療費用の調達先にがん未経験者とがん経験者で大きな差があることだ。

がん未経験者に対する「治療費をまかなうには何が有効だと思いますか?」という質問。
「保険」で70.1%
「貯蓄」27.1%
「親類援助」1.4%
「借入」0.5%
「その他」0.9%


がん経験者に対する「治療費は主に何でまかないましたか?」という質問で、最も多かったのは
「保険」で48.5%
「貯蓄」43%
「親類援助」3.3%
「借入」1.7%、
「その他」3.5%

生命保険や医療保険では、十分に対応しきれず貯蓄を取り崩して対応したとの状況が垣間見える。

がんへの備え“三種の神器”は

  •    早期発見のための検診受診
  •    がんに関する知識
  •    経済的備え
と言えるだろう。


~がんセミナー来場へのアンケート調査結果か見えるがんへの意識~

アフラック(アメリカンファミリー生命保険株式会社 日本における代表者・社長:外池 徹)は、昨年、全国各都市で展開したがんに関するセミナーや展示 会等の来場者に、アンケート調査を実施しました。すでに昨年8月23日に中間結果を報告済みですが、今回通年の集計結果をまとめましたので、ご報告しま す。

1.がん告知について

・医師からの告知を希望する人は95.2%に昇り、そのほとんど(93.4%)が完治の確率や余命等の説明も希望している。現実を受け入れ、病気と向き合って治療に臨む姿勢がうかがえる。

2.がんに関する不安について ・がんの経験がない人は、がんと聞いて最初に「治療費(経済的負担)」を心配する一方、がんの経験がある人は「再発・転移」「死」といった自分自身の今後のことを心配する。そして治療が開始されてからは特に「再発・転移」を気にする傾向がある。

3.がん治療費用について

・がんの経験を持つ人の回答は、「50万円程度」が36.3%で、「100~200万円程度」が49.7%、「300万円程度~それ以上」という回答は12.1%あった。

・治療費は、早期発見・早期治療により抑えられるケースがある一方、再発・転移等によって高額になるなど、がんの状態等により回答者ごとに費用総額が異なる。なお、治療費を「保険」でまかなった人の割合は「貯蓄」を超えて48.5%に上った。

4.がん検診受診について

・がんの経験がない人でがん検診を受けていると回答した人は6割を超えた。また、がん経験を持つ人のうち、定期健診や住民検診でがんが発見された人は31.9%にのぼった。

・がん経験を持つ人が必要だと考える“がんへの備え”は、多い順に「早期発見のための検診受診」「がんに関する知識」「経済的備え」が挙げられた。「検診」「知識」「保障」は、がんの予防や治療のための“三種の神器”といえそうだ。

アフラックは、国や地方自治体と連携したがん啓発活動に積極的に取り組んでいます。

2011年3月末時点で86自治体(全47都道府県、39市区町)とがん検診受診率向上などを目的とした提携を行っており、さらに各自治体と協力のうえ、がんに関するセミナーや展示会などの各種イベントを実施、がんの早期発見・早期治療の推進に取り組んでまいります。

2011年5月10日火曜日

髪の毛検査でがんを発見

髪の毛でがん検診 スプリング8で実証へ 

兵庫県とたつの市、ひょうご科学技術協会は本年度から、同県佐用町の大型放射光施設スプリング8を使い、毛髪でがんを検査する新技術の実証事業を 始める。スプリング8の放射光で毛髪のカルシウム濃度を調べると、がんの兆候が分かるといい、今月下旬からたつの市民千人程度の毛髪を調べて技術を検証す る。この技術が確立すれば、がん検診の大幅な簡素化につながるという。
県先端科学技術支援センターの千川純一所長(80)=姫路市=の研究成果を基に実施する。千川所長は元日本放射光学会会長でスプリング8の設計にかかわった。結晶構造が専門のため、医師らが実証に協力し、たつの市はPRを担当する。

カルシウムは細胞内の情報を伝達する役割があり、千川所長はカルシウム濃度とがんとの関連に着目。2002年から研究に取り組み、約50人の患者の分析から、がん発生時には細胞内のカルシウム濃度が高いことが分かったという。

毛髪は毛根の細胞から成長するため、毛の根から先端までのカルシウム濃度の変化に、細胞内での変化が反映される。スプリング8を使えば微細な変化を測定できるため、濃度が高くなった時期などが分かるという。

研究を実証するため、07年からたつの市内の企業の協力で、従業員約400人の毛髪を調べた。濃度の高い人は50歳以上で約3割おり、うち1人からがんが見つかった。
さらに検査対象を広げるため、たつの市の乳がん検診時に毛髪の提供を呼び掛ける。毛髪の分析結果とがん検診の結果を照合。カルシウム濃度とがん発生のメカ ニズムなどを解明する。千川所長は「毛髪なら体への負担もない。技術が実証できれば、カルシウム濃度が低い人はがん検診が不要になる」と話している。

2011年5月10日 神戸新聞

乳がんリスクが4割低下

運動すると乳がんリスクが低下- 国立がん研究センター

国立がん研究センターはこのほど、「積極的に運動する女性は、しない人に比べて乳がんになりにくい」とする研究結果を発表した。

研究は1990年と93年に岩手、秋田、茨城、新潟、長野、大阪、高知、長崎、沖縄各府県の10保健所地域に住んでいた40-69歳の女性約5万人につい て、2007年まで追跡した多目的コホート研究。研究開始時と5年後のアンケートから、仕事のほかに余暇運動を行う機会が「月3日以内」「週1-2日」 「週3日以上」の3グループに分け、乳がんの発生率との関連を調べた。平均約14.5年間の追跡期間中、対象者約5万人のうち652人が乳がんになった。

調査結果によると、「週3日以上」の余暇運動を行うグループは、「月3日以内」のグループに比べ、乳がんリスクが約3割低下することが分かった。さらに、肥満度を示すBMI(体格指数)25以上と25未満に分けて分析すると、BMI25以上のグループでは、「週1日以上」の余暇運動を行う群の乳がんリスクが「月3日以内」のグループより4割近く低くなることが分かった。  一方、仕事や家事などを含む1日当たりの「総身体活動量」には、乳がんリスクとの関連は見られなかった。ただし、閉経後の女性では、「エストロゲン受容体」と「プロゲステロン受容体」が陽性の乳がんについて、余暇運動と総身体活動量共にリスク低下との関連が認められた。

運動量と乳がんリスクの関連は海外の調査結果で既に報告されており、研究班では「日本人でも、余暇運動に積極的に参加する人は、しない人に比べ、乳がんになりにくいことを裏付けた」と指摘。「特に、閉経後や太り気味の女性は、週1回でも余暇に運動を取り入れることが乳がん予防につながる」とし、生活習慣の改善を訴えている。

2011年5月09日 キャリアブレイン