2011年7月28日木曜日

酵素の異常が がん化を促す

酵素異常、がん化促す 東大が解明、先天奇形にも

東京大学の畠山昌則教授らは細胞内にある酵素の働きが異常に活性化することによって、がん化や先天奇形が起きる仕組みの一端を明らかにした。酵素の異常により、本来はがん化を防ぐように働くたんぱく質を、がん化を促すものに転換していた。酵素の制御が可能になれば治療法開発につながる可能性もある。

研究チームは脱リン酸化酵素「チロシンホスファターゼ(SHP)2」に注目した。細胞の中で物質からリン酸を奪い取り、化学反応のオン、オフを制御している。この酵素に傷がつくと異常に活性化した暴走状態になり、がん化や先天奇形が起きることが知られていたが詳細な仕組みは分かっていなかった。

2011年7月27日 日経産業新聞