2012年2月14日火曜日

陽子線がん治療の保険適用について

陽子線治療の公的保険適用見送り 新年度、福井県は費用減免制度継続
厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)による2012年度の診療報酬改定の答申で、福井県などが国に要望していた陽子線がん治療の公的医療保険適用は盛り込まれず、新年度からの適用は見送られた。福井県は県立病院陽子線がん治療センターで設けている県民向けの治療費の減免制度を継続する。
 同センターの治療費は照射20回以下が240万円、21~25回250万円、26回以上260万円で、高額な費用負担がネックとなっている。公的医療保険の対象に認められれば自己負担分は3割ですむため、12年度診療報酬改定での適用が期待されていた。
福井県によると、陽子線がん治療の保険適用について、中医協の先進医療専門家会議は妥当と判断したものの、中医協として10日にまとめた答申には反映されなかった。外科手術など他の治療方法と比較した有効性や費用対効果の実績データが不足しているためだという。次回以降の改定で検討は継続される。
福井県はこれまで、西川知事が会長を務める全国粒子線治療促進協議会として昨年11月に要望活動を行うなど国への働き掛けを重ねてきた。次回の14年度改定に向け県地域医療課は「全国の施設の治療実績からデータを集め、さらに訴えを強めたい」としている。
福井県は昨年3月の同センター開所に合わせ、県民に限り1治療当たり治療費25万円を減免、嶺南在住者の通院交通費1回当たり3千円を助成するなどの優遇制度を設けており、12年度も継続する。照射治療に付随する検査、投薬、入院料などは昨年6月から公的医療保険の対象となっている。
2012月2月14日 福井新聞