来年度予算編成の概算要求を前に、超党派の国会議員でつくる「国会がん患者と家族の会」(代表世話人=尾辻秀久・自民党参院議員)は8月4日、国のがん対策推進協議会(会長=門田守人・阪大理事・副学長)や患者団体などからヒアリングを行った。冒頭、あいさつに立った尾辻氏は「いよいよ、一段と高速のギアに入れなければならない時が来ている」と述べ、今後、がん対策の取り組みを加速させる意向を表明した。
門田会長は現行のがん対策推進基本計画について、
- 医療データの不足
- 国民のがん教育
- 施設完結型の医療提供体制
一方、同協議会の下に設置されたがん研究専門委員会の野田哲生委員長(がん研究会・常務理事)は、来年度のがん研究関連予算について、
を要望。小児がん専門委員会の原純一委員長(大阪市立総合医療センター副院長)は、小児がんの情報を集約化した「小児がん情報センター」(仮称)や高度な診療機能を持つ「小児がん拠点病院」(同)の設置、小児がん用薬剤の治験を推進するための制度について提言した。
また、緩和ケア専門委員会の江口研二委員長(帝京大医学部附属病院副院長・内科学講座教授)は、
- 緩和医療外来
- 院内の緩和ケアチーム
- ホスピス、PCU(緩和ケア病棟)の役割
高額療養費の上限額は「所得に応じて軽減を」
このほか、患者団体からは、高額療養費制度の負担上限額を所得に応じて軽減するなど、長期治療を受けるがん患者に対する経済支援を求める意見のほか、小児がんに関するデータの蓄積などを目的とした「小児がん登録」を推進するための法整備などの要望があった。2011年8月4日 キャリアブレイン )