2011年6月22日水曜日

大腸がんリスク2倍,直腸がんリスク4割高の職業

長年のデスクワークとがんの関連性

デスクワークを続けると、心臓病などの慢性的な病気にかかりやすいと長い間考えられてきたが、アメリカン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー誌に発表された研究によると、デスクワークは大腸がんのリスクを増加させる可能性があるという。ここで言うデスクワークとは、長時間イスにすわったままであるなど、エネルギー消費が非常に低い活動を指す。

10年以上デスクワークをしている人は、そうでない人に比べて大腸がんのリスクが2倍に

これまでの研究でも、デスクワークと結腸・直腸がんのリスクとの関連性の高さが示されていたが、そうした研究の大半はある特定の職種をある一時点だけ観察したものだった。今回の研究では、オーストラリアの科学者が2005年から2007年にかけて、大腸がんの患者918人と1021人の非患者に関して、雇用歴とライフスタイル、身体的な活動の状況などのデータを集めた。職業は身体的活動のレベルによって、軽労働から重労働までランク付けされた。

調査対象者の中で10年以上デスクワークを行ってきた人は、デスクワークに就いたことがない人と比較して、大腸がんのリスクが2倍であり、直腸がんのリスクは44%高かった。またこうした関連性は、余暇時間に行う運動とは無関係だった。肉体的な重労働を伴う職業では、軽労働の職業と比較して、大腸がんのリスクが44%低かった。この結果から、職業による健康管理への示唆が得られると研究者たちは述べた。

2011年 6月 21日 ウォール・ストリート・ジャーナル