2011年9月14日水曜日

直径10ナノメートルの粒子で大腸がん治療


ナノ粒子を利用した大腸がん治療、韓国チームが開発
ソウル大学・高麗大学が共同研究

『ネイチャー・ナノテクノロジー』電子版に掲載

 韓国人男性の大腸がん発生率はアジアで第1位という数字が、世界保健機関(WHO)から発表された。そんな中、直径が髪の毛の1万分の1という微小粒子を扱うナノテクノロジーを利用し、大腸がんの細胞を攻撃する治療法が、韓国の研究陣によって開発された。

 ソウル大学医学部のチョ・ナムヒョク教授、ソン・スンヨン教授のチームと高麗大学工学部のキム・ヨングン教授のチームなどは13日、大腸がんの細胞が作り出すタンパク質を付着させた特殊なナノ粒子で患者の免疫細胞を訓練し、大腸がんを効率的に攻撃させる技術を開発したと発表した。研究チームの論文は今月11日、ナノ技術分野で最高の権威を誇る学術誌『ネイチャー・ナノテクノロジー』電子版に掲載された。

 人間の体には、外部から侵入した細菌やがん細胞を攻撃する「T細胞」と呼ばれる免疫細胞があり、がんとの戦いの第一線に立つ先兵のような役割を果たしている。この兵士たちを訓練する教官に当たるのが「樹枝状細胞(抗原提示細胞)」だ。研究陣は、直径10ナノメートルの粒子に大腸がんの抗原を付着させ、樹枝状細胞にこれを注入、T細胞を訓練させるよう仕向けた。ソン・スンヨン教授は「今後3-4年以内に、実際に大腸がんの患者に対し適用が可能になると期待している」と語った。

2011年9月14日 朝鮮日報