2011年9月3日土曜日

がん細胞検出できる蛍光分子

理研など、がん細胞を検出できる蛍光分子開発

理化学研究所とスウェーデン・カロリンスカ医科大学の研究チームは、がん細胞を検出できる蛍光分子を開発した。生体内で異物の解毒機構を担い、がんの目印となる「グルタチオン転移酵素(GST)」が起こす化学反応を利用し、がん細胞のみを光らせる。

今までGSTを検出するための蛍光分子がなく、医療現場で利用できる実用的な手法が求められていた。GSTの量が多いがん細胞のみを攻撃できる抗がん剤の開発が期待できる。成果は米化学会誌(JACS)電子版に掲載された。

結合した蛍光化合物の働きを抑える「アリールスルホニル保護基」という物質に着目。同保護基に、ローダミンなどの蛍光化合物を結合させた複合体を作っ た。作製した複合体は蛍光を出さない。だが細胞内に豊富に存在する物質「グルタチオン」とGSTを加えると、化学反応が起こり複合体から同保護基が外れ、 蛍光を出す。

2011年08月30日 日刊工業新聞