2011年9月9日金曜日

抗がん剤で肝炎ウイルスが再活性化

 過去にB型肝炎ウイルスに感染した人ががんやリウマチなどの治療で免疫力が落ちると、ウイルスが再び増える「再活性化」が起きることが厚生労働省研究班(研究代表者=持田智・埼玉医大教授)の全国調査でわかった。再活性化に気づかず放置すれば、重い肝炎を発症する恐れがある。

 研究班は2009年度から抗がん剤やステロイド、リウマチ治療に使われる生物学的製剤による治療で免疫力が落ちた患者で、過去にB型肝炎ウイルスに感染した235人について調査。うち11人(4.7%)で再活性化が起きていた。

 再活性化が起きると劇症肝炎を発症しやすい。04~09年に全国で18人が死亡。17人ががん、1人がリウマチの患者だった。

 今回の調査で再活性化が起きた11人のうち、5人はウイルス量が基準を超えていた。抗ウイルス薬による治療を受け、いずれも肝炎を発症しなかった。

2011年9月9日 朝日新聞