2011年12月13日火曜日

子宮体がん摘出手術の歌手

“歌う尼さん”やなせななさんが子宮体がんの経験講演 
 シンガー・ソングライターと住職を兼ねる“歌う尼さん”やなせなな(本名・梁瀬奈々)さん(36)=奈良県高取町=がこのほど、松浦市内で講演。子宮体がんの経験を通して「人の痛みに気付き、分かち合う心が大切」と語り掛けた。
 やなせさんは28歳でデビュー。その後、がんが見つかり、30歳の時に摘出手術を受けた。現在は実家の浄土真宗教恩寺の住職を務める一方、各地で講演やコンサートを開いている。
 「心から心へと 伝えられる あいのうた」と題して、オリジナル曲を温かく力強い歌声で届け、曲に込めた思いやエピソードを紹介。出産できない体となった手術後のつらさを「子どもを見たときに不意に涙がこぼれてきた」と回顧。同じがん体験の境遇の人に多く出会い「病気をして初めて、苦しみや悲しみをそれぞれ背負って生きていることに気付いた」と述べた。
 東日本大震災の発生後は被災地を何度も訪問。現地の僧侶が書いた詞にメロディーを付けた鎮魂歌も披露した。
 人権週間(4~10日)に合わせ、市と市教委が開催。約250人が聞き入り、目頭を押さえる姿も見られた。
2011年12月11日 長崎新聞