2012年2月9日木曜日

放射線がん治療の満足度

がん患者に対する「放射線治療に関する調査」結果発表。
放射線外科医療の日本アキュレイ(東京都千代田区)は3日、がん治療の経験者を対象とした「放射線治療に関する調査」結果を発表した。
それによると、自身の罹患したがんに対する放射線治療の適応の有無を「知らない」と回答した人が45.4%に上り、放射線治療の認知度が依然として高くないことを示す結果となった。同調査は無作為に抽出された全国のがん治療経験者618名(男性:309名、女性:309名)に対しインターネットを通じた調査で行われた。期間は2011年8月29日~8月30日。
半数近くが放射線治療の存在を知らないことが明らかになったほか、実際に放射線治療を受けたことがあると回答した人は全体の19.9%に止まった。従来からわが国では、欧米諸国などに比べ放射線治療経験者が少ないと指摘されており、これを裏付けるものとなった。
一方で、がんの3大治療(外科・化学療法・放射線)について、それぞれの経験者に満足度を聞いたところ、「満足」と「どちらかといえば満足」を合計した割合は、放射線治療で83.7%、外科治療で89.9%、化学療法で 73.7%となり、放射線治療の満足度が外科治療に次いで高いことも明らかになった。
今後の各治療についての期待値も、放射線治療は63.6%となり、外科治療の72.6%に次いで患者の期待が高いことも明らかになった。この結果を受け、埼玉医科大学国際医療センター包括的がんセンター放射線腫瘍科の土器屋卓志教授は、調査結果から放射線治療について患者の理解が進んでいないことがうかがわれ、「QOLの高いがん治療のためにも…放射線治療を浸透させ、患者さんの選択肢を広げることが大事」とコメントしている。
2012年2月8日 医療人材ニュース.