2011年5月31日火曜日

子宮頸がん予防に新ワクチン

第二の子宮頸がん予防ワクチンの承認を了承 - 薬食審・医薬品第2部会

国内2製品目の子宮頸がん予防ワクチンとなるMSDのガーダシルが、6月にも正式承認されることが確実になった。5月30日に開かれた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第2部会で承認が了承された。先行するグラクソ・スミスクライン(GSK)のサーバリックスが、子宮頸がんの約70%の原因を占めるとされるヒトパピローマウイルス(HPV)の16、 18型に対して有効なのに対し、ガーダシルは16、18型のほか、尖圭コンジローマの約90%の原因である6、11型にも有効なのが特長だ。サーバリックスと同様、計3回、筋肉内接種する。

GSKはサーバリックスを2007年9月に承認申請、09年12月に発売した。これに対し、 MSD(当時、万有製薬)はガーダシルを07年11月に承認申請したものの、「一度申請が取り下げられ、再申請された」(厚労省審査管理課)経緯があり、サーバリックスに大きく後れを取る結果となった。

サーバリックスは昨年11月に公的助成が始まり、接種者が大幅に増加したことから品薄状況が続いているが、GSKの担当者によると、夏ごろまでには解消されるという。一方、ガーダシルの接種に対する助成について、厚労省結核感染症課は「今後検討する」としている。

海外での状況を見ると、ガーダシルは130か国以上、サーバリックスは110か国以上で承認を取得している。MSDの米国本社(メルク)、GSKの英本社の昨年通期決算によると、ガーダシルの全世界売上高は9億8800万ドルで、サーバリックスの3億7500万ドル(日本での売り上げを含む)を大きく上回っている。

このほか承認を了承されたのは、▽中外製薬の抗がん剤タルセバの膵がんの適応追加▽GSKのロタウイルスによる胃腸炎予防ワクチン・ロタリックス▽協和発酵キリンの抗アレルギー薬アレロックの小児用量の追加▽MSDの皮膚T細胞性リンパ腫治療薬ゾリンザ▽ノバルティスファーマの慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬オンブレス▽アボットジャパンの関節リウマチ治療薬ヒュミラの若年性特発性関節炎の適応追加▽MSDのMRSAに対する抗生物質キュビシン▽ファイザーの抗生物質ジスロマックの新投与経路(注射剤)―。

2011年5月31日 ミクスONLINE