2011年7月28日木曜日

結腸・直腸がんの末期・再発患者へ新薬

大鵬薬品が新規抗悪性腫瘍薬「TAS-102」の臨床第II相試験結果を発表

大鵬薬品工業(東京都千代田区)は22日、同社が開発を進める新規ヌクレオシド系抗悪性腫瘍薬「TAS-102」に関する臨床第II相試験の結果が、第9回日本臨床腫瘍学会学術集会(横浜)において公にされたと発表した。標準治療不応な進行再発結腸・直腸がん患者に対し生存期間を有意に延長することが示された。

本試験は、フッ化ピリミジン系薬剤、イリノテカンおよびオキサリプラチンを含む2レジメン以上の標準化学療法に不応となった切除不能な進行再発結腸・直腸 がん患者172名を対象とし、プラセボ対照の二重盲検ランダム化比較試験でTAS-102の延命効果を主要評価項目として評価している。

その結果、TAS-102投与群ではプラセボ投与群に比べ全生存期間が延長し[全生存期間 中央値:9.0か月対6.6か月]、死亡リスクも有意に減少した[HR=0.56,p=0.0011]。また、治療関連死は認められず、最も高頻度に認められたCTCAEグレード3以上の薬物有害反応は好中球減少であり、下痢や倦怠感、悪心などは10%以下だった。

2011年7月28日 医療人材ニュース