2011年8月23日火曜日

がん治療核酸医薬への期待

ナノキャリア、核酸医薬を京大と研究 がん治療に期待

東証マザーズ上場のナノキャリアは京都大学と核酸医薬について共同研究契約を結んだ。京大が作製する人工核酸を同社が開発したナノサイズのカプセル「ミ セル化ナノ粒子」にとじ込めて核酸医薬候補を開発する。研究期間は来年6月まで。共同研究で得られた成果は両者で特許を出願する方針という。

京大側の共同研究者は「次世代研究者育成センター」の斉藤博英准教授。同准教授は人工的に合成したRNA(リボ核酸)を使って細胞の生死を制御する技術を開発している。この人工RNAをがん細胞に送り込めば、がんの 治療効果などを期待できるという。ただRNAは血中で分解されやすく、患部へ効率的に届けられるかどうかが課題。ナノキャリアはミセル化ナノ粒子の技術を 使えば、人工RNAが分解せずに患部に到達できるとみる。同社は作製した医薬候補の血中持続性や薬理作用の確認にも取り組む考えだ。

2011年8月22日 日経産業新聞