2011年8月25日木曜日

新抗がん剤の候補物質へ乳がん

岡山理科大など、副作用少ない抗がん剤の候補物質を開発

岡山理科大学の濱田博喜教授、岡山大学の妹尾昌治教授、塩水港精糖の研究チームは、薬物送達システム(DDS)を利用した新しい抗がん剤の候補物質を開発した。乳がん前立腺がんなどへの抗がん作用を持つ化合物「パクリタキセル」を改変。ブドウ糖と結合させることで水に溶けやすくし、ナノサイズのカプセルに閉じ込め、副作用が少なくがん細胞のみを標的とした抗がん剤の候補物質を作れた。

今後、動物実験での安全評価などを行い、「5年後には臨床試験に入りたい」(濱田岡山理科大教授)としている。研究成果は9月11日からフランスで開催される日仏合同シンポジウム「メディシナル・アンド・ファイン・ケミストリー」で発表する。

パクリタキセルを水に溶かし、カプセルに封じ込めた例は初めてという。パクリタキセルは既に抗がん剤に使われているが、水に溶けない性質を持ち、白血球が減るなどの副作用があった。

2011年8月25日 日刊工業新聞