2012年3月6日火曜日

大腸がんの5年生存率と最新治療法

日本人の3人に1人が がんで死亡する。死因の1位である。
中でも大腸がんは生活習慣の欧米化の影響で急激に増加している。
大腸がんの死亡者は男性では肺がん、胃がんに次いで3位、女性のがんでは。ただ、近年は医療技術が進歩し、早期発見で治療することでほぼ確実に治癒できるという。
大腸がんの分類は6ステージ
 大腸は水分を吸収する器官で、結腸、直腸S状部、直腸に分けられる。 大腸がんは進行度によって、6段階のステージ(0、I、II、IIIa、IIIb、IV)に分類。大腸がんの治療法は下記の3つを進行度によって組み合わせる。

  • 抗がん剤治療
  • 手術=外科治療(内視鏡治療を含む)
  • 放射線治療
近年の効果的な抗がん剤が開発されたことで、治療の選択肢は増えている。
がんが大腸の粘膜の中に留まっている状態のステージ0であれば、ほぼ百パーセント治療することが可能とされる。リンパ節転移の懸念が薄く腫瘍が一度に切除できる場合ならば、内視鏡で取り除くことも多い。
 リンパ節転移がないステージI・IIは手術で腫瘍を取り除く。しかし近年の大腸がん手術も腹部を切開しない腹腔鏡(ふくくうきょう)手術の適用が確立された。
腹腔鏡手術は、従来のように大きく切り開いて開腹しない。腹部を炭酸ガスで膨らませ、数カ所の"穴"から内視鏡や鉗子の手術機器を体内へ差し込み腫瘍を取り除くのだ。切開手術に比べて痛みが少なく入院期間も短縮できるのだ、体への負担が軽く、手術後の免疫力・体力低下によるがんの転移再発にも寄与できる。
大腸がんのステージIの5年生存率は90%以上、ステージIIは80~85%とされている。
大腸がんがリンパ節に転移した状態のステージIIIa・IIIbは、手術だけでなく抗がん剤治療の併用が必要となる。また、がんが肺や肝臓などに転移した状態のステージIVでは、抗がん剤や放射線療法などを選択することになる。
全てのがんに共通するように、大腸がんは術後の治療と経過観察が大切だ。特に再発への注意は万全を期せねばならない。しかし、大腸がんは再発しても治すことができる点が他のがんと違うのだ。
大腸がんを克服するためには、当然に早期発見が不可欠であり、検診が極めて重要だ。大腸がん表面からの微量な出血がないかどうかを調べるには、便の潜血検査が簡単で、費用も500円~1000円程度。(自己負担分)。検便検査をするだけで死亡率減少効果を示す十分なデータがあることを、厚生労働省も推奨している。
さらに、万全を期す場合の詳細検査としては、全大腸内視鏡検査がある。大量の腸管洗浄液を飲んで便を全部出し、大腸全体を内視鏡で観察する方法なので非常に精度が高い。
大腸がんは一般的に遺伝性は少ないが、親兄弟に大腸がん患者がいた場合には、生活環境が近いことから発病リスクが高く、検査を頻繁にすることが推奨される。
大腸がんを予防するには、喫煙や肥満、運動不足、過度の飲酒を避けること。全ての健康に共通するバランスの良い食事を心掛け、運動をすることが大腸がんのみならず全ての病気の予防に有効。大腸がん予防に最適なのは腸の動きを活発にして免疫力が高まる有酸素運動なので、水泳やウオーキングなどが最適なのだ。